
この物件は、西宮市のJR甲子園口駅から徒歩3分の、鉄筋コンクリート造5階建ての賃貸マンション。甲子園口駅周辺は生活環境も整っており、神戸・三宮と大阪・梅田の両都心への利便性もある人気の地域だが、築35年のこのマンションは、震災以降の老朽化も進み、当社が買い取った時点では全18戸のうち入居はわずか3世帯、雨漏りの修繕もされなず悲惨な状態だった。
まわりで新築されるマンションは10年経てば中古相場の賃料になる。
これは他と同じものを作っているからである。当社はライバルとなる間取をあえて創らない戦略である。戦略的に創られたデザイン性の高い間取には賛否両論あるが、ニッチの客層を獲得することで、需要を維持することができると考えている。
3ヵ月後には、阪神地区でも注目されるマンションになるだろうと期待する。
~プランニング~
再生計画には約4ヶ月の時間を割いた。まず、この物件は5階建てにも関わらずエレベータがないため、EVが設置可能かどうかの調査から開始。
コンクリートの補強はもちろん、配管・電気設備関係を全て一からやり直し、外壁も、今後数十年は改装しなくても耐えられるような施工に決定する。
~室内デザイン~
現況の3DK・2DKの間取を、デザイナーとの提携により1LDKをベースにした斬新な間取に変更。水廻り設備や壁材、フローリング、タイル1枚にもこだわって、「10年後も収益が落ちない空間創り」を目指す。

リノベーション工事が始まり、まずは解体作業に取り掛かる。各部屋とも間取りを全面的に変更し、配管、電気、水道、サッシに至るまで全て新設するので、躯体と外壁のみを残して、全て取り払う。
このスケルトン状態になるまで約1ヶ月の時間を費やした。
今回はエレベータも増設するので、1Fから5Fまでの貫通工事も行った。通常、室内の壁は簡易に間取りが
変更できるように木工事での造作やコンクリートブロック(ALC)などで作られているが、この建物は室内もコンクリートで造られていて、まさに解体業者泣かせの物件。
また、甲子園口という町は非常に環境が良く、閑静住宅地であるため工事時間の制限があり、これも解体に時間がかかった要因だった。解体が終わると後は、室内の造作に着手する。ここからの工事は一気にスピードアップ。
11月初旬のモデルルーム公開を目指し、リノベーションは進む。

解体工事も終わり、いよいよ室内造作の開始である。
このマンションは単身者だけでなく、カップルやファミリーにも対応できる仕様であり、かつ、今までの賃貸マンションにない室内空間を演出している。

賃貸マンションは建築中でも入居契約はできる。しかし、借りる立場になれば、完成するまでは室内の間取りや設備が分からないため不安な点もある。そこで、当社では、入居希望者が実際の生活をイメージできるようモデルルームをつくり、仲介業者に対しても、営業活動がしやすいように、施工中でも内覧可能な体制をとっている。
一般的に、引越しを考えマンションを探し始めるのはおおよそ2~3ヵ月前からである。
アーバンコート甲子園口の完成時期は平成18年1月。来春の入居を考えて探し始める方の候補としてアピールできる。また、すでに契約された方には、完成するまでの間、どんな部屋作りをするかじっくり考える時間がある。
当社のねらいは完成と同時に満室。これにより、安定した収益資産のマネジメントができる。
各室内のカラーバリエーションも決定し、モデルルームの完成が楽しみである。
待望のモデルルーム完成である。URBAN COURT 甲子園口の間取は4タイプ。
今回は2タイプの部屋を準備した。両タイプとも広さは同じであるが、全く異なる空間を演出している。設備関係(バス・トイレ・洗面・キッチン)は統一しているが、壁面やフローリングのカラー、タイルなど部材にもこだわった。
壁面のカラーにはポーターズ・ペイントを使用する。
この塗料は有害物質を含まず、メンテナンスもローコストで行える。オーストラリアでは高級塗料として有名で、色・質感ともバリエーションに富んでいるが、URBANCOURT 甲子園口では落ち着いたカラーを使用した。
フローリングも輸入材をチョイス。幅160mmのムク材(一般住宅用75mm)を使用する。硬質のため傷が付きにくいというメリットもある。また、室内各所にタイルをアレンジしているが、中でも600mm角のタイルは空間にインパクトを与えている。
モデルルームの演出は、今回も、全国展開している大手インテリアショップに依頼。シンプルでありながら機能性を重視したディスプレイとなっている。モデルルームを公開してから、仲介業者の方など多くの反響をいただいている。公開と同時に数件の契約申込みを受け、順調なスタートである。モデルルームは、入居希望者だけでなく、これからコンバージョンやリノベーションを考えているマンションオーナーや投資家にも公開している。
当社の事業を参考に、1棟でも多く建物が再生され、収益資産として蘇ればと思う。

URBAN COURT甲子園口が見事に生まれ変わり36年目で2回目の竣工をむかえた。当初、昨年中に竣工予定であったが結果的には5ヶ月間を要した。 JR甲子園口の閑静な住宅街という立地から近隣には細心の注意をはらい工事したためである。ようやく箱(建物)が完成したという感じがする。しかし、これで終わったわけではない。
まだ収益物件として機能はしていないのである。
総戸数18戸を100%稼動させてこそ蘇るという言葉がふさわしいと思う。
弊社はマーケットイン手法を用いている。マーケットインとはその地域のニーズにあったものを提供する意味を持つ。甲子園口の地域性は住環境も良くファミリー層が多い。
しかし、単身者も考えは同じであるのに1R、1LDK(30㎡~45㎡)のマンションが少ない。
このニーズに応え、今までにない斬新な空間を提供するのが弊社の仕事である。竣工日現在の申込状況は40%。 計画当初の入居者層、主に30歳以上の方に反響を得ている。

弊社の再生物件は中途半端な施工はせず、徹底的に改善する。なぜなら長期所有することも視野に入れているからである。施工会社から建物に関する保証もあり安心して収益資産の運用ができる。いずれは投資家に売却するがそれまで弊社PM事業部にて高収益を維持して引継ぎたいと思っている。




















